保育ICTシステム活用で休憩時間確保を
保育士の離職理由で「休憩時間がとれない」「労働時間が長い」というものがあります。
子どもの命を預かる責任ある仕事だから仕方ないと思えなくもないですが、トイレにも立てない状況は体力が持たずに辞めていくことにつながるでしょう。
労働基準法では保育士の休憩時間も定められていますし、きちんと確保できている保育施設もあります。
保育士の定着化のためにも休憩時間を確保するための労働環境の見直しをしていきましょう。
保育士は休憩時間をとりにくい
一般的な企業のお昼休憩は勤務時間8時間に対して1時間と設定されていることが多いです。
しかし、保育施設に働くスタッフは子どもたちの給食時間にあたります。
食事の準備やお手伝い、その後の午睡の見守りに追われ、休憩はなかなかとりにくいのです。
一日に一度も休憩が取れないという保育士も少なくないでしょう。
仕方ないと諭されそうな場面ですが、労働基準法違反です。
お昼に休憩がとれないのであれば、別の時間帯に休憩を設けるように改善が必要になります。
休憩時間を確保するための見直し
労働基準法のルールに則った休憩時間を保育士が確保するためには労働環境の見直しが必要です。
保育士の離職率を低下させたり、保育の質を向上させたりするためにも見直していきましょう。
勤務体制を見直す
保育士の休憩時間を確保するためには、勤務スケジュールの把握と勤務体制の見直しをすることが大切になります。
保育士一人ひとりの役割や勤務スケジュールの詳細をまとめると、交代しながらの休憩時間確保が可能ということが見えてくるでしょう。
もちろん子どもたちの給食時間など多忙な時間帯は避けなければいけませんが、シフト調整やパート職員の出勤時間などを踏まえて工夫すれば休憩時間を作ることができます。
保育ICTシステムの活用
上記の勤務スケジュールやシフトの把握、基準を満たした保育士の配置数などもICTシステムを活用すれば自動的に算出してくれます。
また、保育活動以外にも保育士の負担となっている事務作業をICTシステムで軽減していきましょう。
休憩時間を確保するためには保育士一人ひとりの負担を減らす必要もあるのです。
タブレットやスマホを使ってスキマ時間で連絡帳や保護者へのお知らせ配信などができれば業務量の削減や効率化につながります。
ICTシステムシステムを導入することで休憩時間確保にもつながるでしょう。
休憩の取りやすい雰囲気づくり
いくらICTシステムを導入したり、勤務体制の見直しを図ったりしても休憩を取りにくい雰囲気のままでは現状を改善できません。
「休憩を取るのが申し訳ない」と考える保育士さんがいたり、「昔は休憩なんか取れなかった」と語るベテラン保育士がいたり、なついている園児がなかなか離れてくれなかったりということがあるからです。
まずは主任保育士やベテラン保育士さんが積極的に休憩を撮ったり、「休憩時間だよ、行ってらっしゃい」と笑顔で送り出したりすることで園児たちにも伝わるため休憩が足りやすくなるでしょう。
「休憩をとることが当たり前」という雰囲気を職場全体で作っていってください。