乳児保育で大切にしたいこと
乳児期(0~2歳)にとって必要なことは「安心感」を持って過ごすことです。特にこの時期に必要な「養護」の面になります。
子ども達の緊張や不安をそう受けとめてあげるかが大切です。暖かく愛情のある雰囲気の中で気持ちを十分に受け止めてあげましょう。
信頼関係が築かれるにつれて、子どもは安心し様々な気持ちを表現するようになります。そして、保育士は子どもの様々な表情の変化や健康状態の変化に気づくことが出来るようになっていきます。
その時期が子どもにとって大きな成長につながるため、子どものサインを見逃さず、「気づいているよ」というサインをしっかりと送り、関わることで「認めてもらえている」という安心感から、保育士と離れている場所でも様々なことに挑戦できるようになります。
生活リズムを整える
食事、排せつ、睡眠、遊びの時間を子どもと一緒に過ごしながら生活リズムを整えることは生きる基礎を培う上でとても大切なことです。
毎日の生活を共にしていると一人ひとりの個性や家庭での習慣が見えてきます。一人ひとりに合う援助をすることはもちろん大切なことですが、保育園や幼稚園は集団生活を送る場所です。そのため、保護者と連携を密にとり、家庭での生活リズムを見直してもらうことがこの時期だからこそ欠かせません。
気持ちに寄り添い、「味わうこと」「不快・心地よさを感じること」「安心して眠ること」「人と関わることの楽しさ」を同じ目線で経験しながら、リズムとして形成することで子どもが園の生活や活動に取り組むことが楽しいという気持ちの中で過ごしていけるような保育をしていきましょう。
遊びを見つけること
遊びは一人ひとりが見つけ出していくものです。同じおもちゃを使っていても、同じ環境化でも、そこにある遊びを見つけ出さなければ、いつまでも遊べない子どもに育ってしまいます。
子どもは1人でも遊ぶ力をもっています。1人で歩いているだけだから遊びを見つけられていないと決めつけることは特に未満児の保育において、その子自身の成長を見つける範囲を狭める視点となります。
「見て遊ぶ」ということが1人遊びに繋がっていきます。0~1歳の子ども達は全てを言葉にして相手に表現することはできませんが、1つの情景から様々なイメージを膨らませています。
そこで必要となるのが保育士の環境構成です。子どもの目線の先にあるものをしっかりと見つめ、何を感じとっているのか、何をイメージしているのかを見守ります。このときも、保育士は人的環境として欠かせない存在です。そこから起こす行動を見守り、そのこどもと目線を同じにすることで「子どもを見る目」が育っていき、気持ちの方向性が見えてきます。
子どもにとって、保育士と一緒に遊びを見たり感じることそのものが遊びになります。感じたことを表現したときは、受け止め、さらに楽しめるような工夫をしていくことでその子自身の中で友達とイメージを共有して遊ぶ楽しさや自分だけの遊びが見つかるきっかけになることでしょう。
保育士としての姿
乳幼児期は、信頼できる大人との関係があるからこそ安心して成長することができる時間です。つまり、保育士の温かい愛情や見守り、声掛け、スキンシップが何よりの成長の基です。乳児は目を合わせることでもスキンシップになります。そのため、保育士の表情や仕草から感じる情報にとても敏感です。
温かく愛情のある保育をするために一人の保育士として、人間として子どもに見せる姿を意識し、心に余裕をもった保育を心がけていきましょう。