企業主導型保育と事業所内保育の違って?
表面化した待機児童問題に対応すべく国が提案した「企業主導型保育事業」。
企業が保育所を設置して運営を行うことを内閣府が助成する制度です。
同じ様な事業所内保育とは何が違うのでしょうか。
企業主導型保育と事業所内保育の違い
保育施設を設置するのが企業であること、基本的にはその企業の従業員のために設置する保育施設であるということは変わりません。
●認可か認可外か
前述の通り企業主導型保育園は「認可外」の保育施設になります。
それに対し事業所内保育園は「認可」の保育施設です。
地域の保育事業として市町村の認可が必要で、当該事業所で働く従業員であっても、利用するためには市町村による「保育の必要性」が認定されなければ行けません。保護者が短時間勤務やパートタイムなどであれば、保育の認定を受けられないこともあります。
企業主導型保育は保育園と利用者の直接契約になるので、保育認定されていなくても利用できるのです。
週に数日のみの利用など、認可施設で受け入れが難しい保育も対応可能になります。
●従業員以外の利用者枠
事業所内保育施設では従業員以外の利用者枠を定員の4分の1程度と設定されています。
企業主導型保育施設では定員の2分の1までの範囲で、あとは独自に地域枠が決められているのです。
逆に従業員だけで定員に達するようであれば、地域枠を造らないことも可能となります。
●有資格者の数
定員20名以上の事業所内保育施設では、0歳児3人に1人、1−2歳児6人に1人、3歳児20人に1人、4−5歳児3人に1人の保育士を配置しなければならないと内閣府で制定されています。
企業主導型保育施設であれば、定員20名以上の保育所の配置基準に+1名以上、最低2人の保育者の配置が必要です。
有資格者に関して、定員20名以上の事業所内保育施設であれば全員保育士資格が必要で、定員19名以下の事業所内保育施設であれば半分の人数が有資格者である必要があります。
企業主導型保育施設では、職員の半数が有資格者であることが決められており、資格がない職員は研修が義務づけられています。
●事業支援公費の出所
事業所内保育施設は認可保育園のため、市町村からの補助金として公費の投入がされます。
企業主導型保育施設の場合、認可外保育園になるので国からの助成金として公費が投入されます。
しかし、その公費の額は一般的な認可外保育園とは違い、認可保育園のレベルで支援されるのが特徴です。