命を守るため連絡をしたつもりで終わらせない
岸和田市で父親の車に載せられたまま幼い命がなくなりました。
保護者は保育所に預けたつもりで、預かっていない保育所は欠席の確認連絡をしたつもりになっていたため、2歳の女の子は車に置き去りにされ、熱中症で亡くなったのです。
時間が経過するごとに新しい情報が明らかになっていますが、「連絡をしたつもり」だった保育所側がもし連絡をきちんとしていた救えた命であったといえます。
事件性は低い
女の子が置き去りにされた車には鍵がかかり、窓も締め切った状態でチャイルドシートも締まった状態だったということを父親が警察に説明しています。
3列目の運転席側に設置されていたため、チャイルドシートは運転席から見えない状態にありました。
ニュースをみて批判的な意見を述べてある方も多かった故意による放置という事件性は低いということです。
心から子どもを愛している保護者の方でもうっかり子どもを忘れてしまうということは起こりえるということを心理学の専門家も伝えています。
岸和田市の見解と今後の対策
岸和田市子ども家庭応援部・子育て施設課課長は、「(担当保育士は)受話器をつかんでダイヤルするところまで克明に記憶しておったんですが、ダイヤルしたという形跡は確認されてきませんでした。電話をかける手前で(別の)保護者対応に移って、そのままになってしまったのではないかと考えております」と連絡したつもりになっていた状況の見解を伝えました。
その「連絡したつもり」によって保護者からの折返しの連絡もないまま女の子は欠席扱いになったのです。
今後はこういったことがないように「お子様への欠席の連絡確認を職員で共有できるように連絡記録簿を作成して、漏れがないかどうか職員で共有できるようにしたいと思っています」と対策を語った岸和田市子ども家庭応援部・子育て施設課課長。
ヒューマンエラーによるものなので、連絡記録簿を作成するだけでは足りないのではないかという印象を受けます。
ICTシステムによってヒューマンエラーを防ぐ
登降園管理機能があるICTシステムを導入すると、その日の登園予定の園児数と保護者からの欠席や遅刻連絡があった数、実際に登園している園児の数とまだ登園していない園児の数がひと目でわかるようになります。
アナログで連絡記録簿を作成しても、どこかで「チェックしたつもり」がでてきますが、施設側と保護者側どちらかの「したつもり」もICTシステムであればどちらかに連絡がいっていないこと、実際に園児がいないことも双方が連絡を認識しているかどうかもわかるようになっています。
今回のような複合的な要因で子どもが命を落とすということは限りなく減りますし、保育士、保護者双方の手間も精神的負担も軽減されるでしょう。