男性の保育現場排除は本当に子どものため?
ベビーシッター運営会社が、ベビーシッターによるわいせつ事件を受けて男性シッターの活動を一律停止しました。
事実上、保育現場から男性を排除したことになります。
さまざまな観点から批判を浴びている運営会社ですが、本当に子どもたちのためになるのでしょうか?
■疑問視される保育現場からの男性排除
ベビーシッター運営会社で2件もわいせつ行為の被害が報道されました。
運営会社は対応が遅れ、会見も開かずに批判に晒され、その中での男性シッターの一律活動停止の通知。
「専門家から性犯罪が男性により発生する傾向が高いことを指摘され」「断腸の思いで」決断したとしていますが、多くの男性シッター・保育士をまるで全員犯罪者予備軍のように扱うのはいかがなものかと批判が噴出しています。
男性を子どもの保育に関わらせなければ子どもの安全を守れるという見解をもつ専門家の指摘に従った運営会社ですが、社会はそれをよしとするのでしょうか。
男性のシッターや保育士になついている子どもたちに、女性保育士や保護者はどう説明すればよいのでしょう。
■人気男性保育士のてぃ先生の憤り
経済産業省の子育てに関する会議に参加、ツイッターのフォロワー数が50万人を超える人気現役男性保育士の「てぃ先生」も憤りを感じています。
「こういうことがあるたびに男性保育士の信頼が崩れ去って、またイチから構築するという、振り出しに戻ってしまう。すごく残念です。」と語りました。
今回問題になった運営会社は、利用する保護者側がベビーシッターを選べるシステムになっています。
シッターが男性であることを不安に思うのであれば、保護者が男性シッターを選ばなければいいのです。
そのため、運営会社が男性シッターを排除したことにてぃ先生は疑問を感じています。
■性別関係なく子どもたちの見守りを
「子供とかかわる現場では、男性女性関係なく、カメラを設置して死角をつくらない方がいい」と提案しているてぃ先生。
ベビーシッター運営会社の社長は「コストがかかる」ことを懸念して今まで取り入れてませんでした。
事件発覚後は安全への取り組みとしてカメラやレコーダーの導入を進めていくとしています。
保育の現場ではカメラなどで「人の目」をしっかり確保することが性犯罪の抑止につながり、性犯罪だけでなく、虐待など暴力への抑止にもつながるでしょう。
また、保育士やシッターが原因ではない子どもの突発的な事故や病気など、万が一の時に保育士やシッターを守ることにも繋がるのです。
子どもは社会が育てるもの。なにかを学んでいく保育現場だからこそ男性保育士が必要になるシーンもあるでしょう。
本当に大切なことは性別で差別するのではなく子どもたちをしっかり見守ることと考えられます。