保育士の待遇も改善される?21~24年度、待機児童解消プラン
政府が9月29日に待機児童解消に向けた保育サービスを整備する方向で検討に入りました。
20年度待つまでの待機児童ゼロ目標の達成を断念したことを踏まえ、2021年度からあらたに4カ年計画プランを練り上げるとのことです。
その待機児童解消プラン検討のベクトルをご紹介しましょう。
■目標達成の難しさ
20年4月1日時点の待機児童数は1万2439人。
厚生労働省が公表したその人数に対し、20年度末には324万7000人分に増やして待機児童ゼロを目指す計画を立てました。
保育所の申込者数284万2000人に対し、受け皿は313万5000人分整備されている状態でまかなえる計算ではあったのです。
しかし、首都圏などの都市部を中心に政府の想定を上回る申込み者が殺到。
そのため待機児童は依然として発生することになりました。
2017年に策定した「子育て安心プラン」では、18年度から20年度までの3年間で待機児童を解消するということでしたが、現状目標達成は難しいといえるでしょう。
少子化対策をと旗を揚げながら、女性の就業率を20年の77.7%から25年に82%までに上げる目標もかかげており、今後も保育施設への申込み者は増えることが見込まれます。
待機児童解消にはさらに子どもたちの受け皿を増やす必要があると政府は判断したのです。
■24年度末までに目標を達成する新たなプラン
待機児童解消にむけ、現在の「子育て安心プラン」に続き20年度中にまとめる新たな「子育てプラン」は、2021年度からの4年間で新たに14万人分の保育サービスを整備するというもの。
希望しても認可保育所に入れない待機児童の解消に向けた保育の受け皿を増やすということです。
24年度までに約337万人の受け皿確保を目指す上で必要なのは保育施設だけではありません。
その子どもたちの成長を保護者に変わって見守る保育士も必要になるのです。
20年度中にまとめる新たなプランには、保育施設で働く保育士の待遇改善や負担軽減策も示されており、子どもたちの人数や自治体の特性に応じて支援を強化することもプランに盛り込む方向です。
これを機に、さらに保育士の待遇が改善されることが期待されます。