病棟保育士に必要な資格とは
入院中の子どものお世話をする院内保育の専門家となる病棟保育士。
病院内に勤務して、医師や看護師と連携を取りながら保育看護を担当します。
どのような病棟保育士に必要な資格とはなんでしょうか。
■病棟保育士に必要な資格
病棟保育士に必要な資格はどのようなものでしょうか。
実は病棟保育士に専門の資格はありません。保育士の資格があれば働くことは可能なのです。
■医療保育専門士
平成19年に日本医療保険学会が認定している資格、医療保育専門士が誕生しました。
日本の保育士免許を取得しており、病院、診療所、病児保育、障害児施設および乳児院等で常勤1年以上、非常勤年間150日以上かつ2年以上の保育経験があり、さらに日本医療保育学会正式な会員で、1年以上会員歴があることが医療保育専門士になる条件です。
資格認定研修に必要な費用が3万、別途認定料として2マン円かかり、認定の有効期限は5年間となっています。
手当などがつくことはありませんので、転職活動の際自分の能力の証明として取得するのには良いでしょう。現在全国に約180名の医療保育専門士がいます。
競争率の高い病棟保育士の採用の際には強い武器になるかもしれません。
■病棟保育士が身につけたいこと
病棟保育士と保育園で保育を行う保育士と違うことは、医師や看護師との連携をとりながら働いていくことです。
そのため医療に関する用語、知識と対処療法などを身につける必要があります。
■病棟保育士は保育士としての経験が必要
病棟保育士は知名度が高まりつつありますし、伸びしろがありこれから発展していく分野です。
しかし、病院からの募集も少ない病棟保育士は、人手不足の保育業界にありながら保育士にとっては狭き門となっています。
稀に募集があったとしても、保育士としての経験や力量が問われるため、新卒でいきなり病棟保育士になるのは難しいでしょう。
通常の保育園で保育士としての経験を数年積んだ後、転職という形で病棟保育士を選択肢に入れる方が現実的です。
■病棟保育士の専門性を深める
通常の保育園で保育士として経験を積みながら、医療の知識を身につけていくとより病棟保育士として活躍できる可能性が高くなります。
以下のような専門書を参考にしてみてはいかがでしょうか。
●医療保育 改訂第4版―ぜひ知っておきたい小児科知識
出典:医療保育 改訂第4版―ぜひ知っておきたい小児科知識(梶谷喬、佐々木正美、小河晶子、寺田喜平|診断と治療社|2015年)
保育士資格を所有する保育士が、より医療に関する専門性を高めて活躍するためのテキストとなっているので、病棟保育士の勉強にもってこいです。
小児疾患の基礎知識から発展的な知識、発達障がい全般やアナフィラキシー、予防接種の基本についてもまとめられています。
学びやすくより不快知識を得ることが期待できるでしょう。
●医療保育実践マニュアル
出典:医療保育実践マニュアル(国立成育医療研究センター編集|診断と治療社|2016年)
実際に国立生育医療研究センターで働く病棟保育士の方たちが作成したマニュアルを書籍化したものです。
現場でも使用されている物なので、生きた経験が詰まっています。
保育の記録や安全対策、医療スタッフなど他の職種との連携の仕方や主な疾患別の保育実践内容がまとめられているので、病棟保育士の仕事の様子が伝わってくる内容です。
なかなかうかがい知れない現場の姿を垣間見ることができるでしょう。