加配保育士の役割|保育システムNavi

加配保育士の役割

2019.10.11 保育お役立ちコラム


「加配」という言葉からもわかるように、規定の保育士人数にプラスして配置される保育士です。その役割は一般の保育士とは異なり、障害を持った子どもが支障なく保育園生活を送るための手助けをするという役割を担っています。
障害の種類や度合いは子どもによって様々なため、一般の保育士以上に子どもと向き合い寄り添った保育が求められます。加配保育士を目指すときに知っておきたい仕事内容や役割をご紹介します。

加配保育士とは

加配保育士は、障害を持った子どもが支障なく園生活を送るために個別の配慮を行い、生活を手助けする保育士です。
集団生活を送る保育園では、障害を持った子どももいます。障害の度合いにもよりますが、障害を持っていても支援制度が整っていれば、集団生活を送ることは可能です。しかし、他の子ども達と同じペースで活動を送ることが難しい。そのときに、子どもに寄り添った援助を行うという役割があります。
障害児保育において加配保育士の規定は、明確には決められていませんが、おおむね子ども2名につき1人の加配保育士を配置することになっています。対象となる子どもは、障害の診断を受けている子どもが基本です。

加配保育士になるには

加配保育士になるには、保育士資格は必須となります。一般の保育士にプラスして配置されるため保育補助と混合されがちですが、資格が無くても働ける保育補助とは異なります。
保育士資格を持っていればその他に必須の資格はありません。保育士資格を取得するカリキュラムの中に障害児保育について項目も含まれています。保育士資格を持っていることは、障害児保育についての知識も持っているとみなされます。

加配保育士の仕事内容

障害を持つ子どもは、他の子ども以上に細やかな支援が必要です。まずは、子どもの障害や発達を把握することから始めましょう。同じ障害であっても、子どもによって様子や援助方法は異なります。
子どもの様子を把握した上で、食事や排せつ、着脱などの身の回りの援助、遊びの中での友達との関わりや集団行動での手助けを行います。特に集団活動の中では、担任の指示が通りにくい場合が多いため、わかりやすい言葉で個別に伝えてあげましょう。
他の子どもと同じように出来ることを目標とするのではなく、子どもに合わせた援助を行うことがポイントです。例えば、一つひとつの活動が設定された時間内に終わらなくても問題はありません。子どものペースに合わせた寄り添いが大切です。
<他の子に危害を加えないように見守る>
加配保育士は障害をもつ子どもの保育を行いますが、その子どもだけに配慮するというわけではありません。周りの子どもへの配慮も大切です。
例えば、自分の思いを言葉で伝えることが難しい子どもを担当している場合、友達との関係で思い通りにいかない時に、かみつく、引っ掻く、たたく、押すなどの危害を加えてしまう可能性があります。強いこだわりをもつ子どもの場合、自分の遊びを邪魔されたことがパニックとなり、周りにあるものを投げて他の子どもにけがをさせてしまうこともあります。そんな状況を防ぐことも加配保育士の仕事です。パニックに陥ってしまったときは、体全体で子どもを抱きしめて落ち着かせることもあります。
<個別カリキュラムをつくる>
子どもの障害や発達に適したカリキュラムで目標を設定することで、園での生活はより充実したものとなります。周りの子ども達と同じカリキュラムを達成することを目標とするのではなく、子どもに合わせた活動の中で発達を促すことができるように心がけましょう。
カリキュラムを作る際には、療育センターでの働きかけが大変参考となります。療育とは障害を持つ子どもの発達を促すための治療と教育のことです。保育園よりも専門的な働きかけが期待できるため、保育園と並行して利用するケースは少なくありません。療育センターを利用している場合にはどんな療育を受けているのかを保護者の方に確認しておくとよいでしょう。

障害を持つ子どもが集団生活を送る際には子ども自身も保護者も不安や困難を抱えています。そんな子どもと保護者に寄り添い、支援を行うのが加配保育士の役割です。仕事内容や役割を理解した上で、加配保育士を目指すことも働き方の選択として考えてみてはいかがでしょうか。

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