保護者会は誰のためにある?
保護者会は何のために開かれているのか意識したことはありますか?もし、園で決まっているから、どのクラスもしているからとなんとなくで捉えていた場合には考えを改めてみましょう。なんとなくで捉えている場合、毎年同じ内容になっている可能性があるからです。
仕事を調整して園に集まってきてくださる保護者の方が来てよかったと思える会にするために「誰のための保護者会であるか?」ということを考えてみましょう。
保育士のための保護者会
保育士が今後保育をしやすくするために保護者会を開くとしたら・・
●今後の予定を伝える。保護者参加の行事の周知
●年齢なりの子ども達の発達を伝え、家庭でしてほしいことを伝える
●園生活に必要な決まりを細かく伝え、守ってもらえるようにお願いする(持ちものには名前を書く、お休みの連絡は○時までにしてくださいなど)
●園長からの話を聞いてもらい園の保育方針を伝える
等がありますよね。
普段のおたよりでお願いしても伝わらないような細かいルールなどは実際に言葉で伝えることで理解してもらえることがあります。また、○歳児はこのような発達をしていくという目安を伝え、家でしてみて欲しいことを交えて話すことで気が付いてもらえることもあります。
また、このとき保護者は聞く体制が多くなりますよね。話を聞いているうちに眠たくなってしまったということがないように多くの工夫をすることも大切です。
<保育士が動く>
子どもの特徴をプリントを配りただ説明するのではなく、日常の一コマを保育士が寸劇で演じてみます。
特にいやいや期などが分かりやすいです。
「こうするとイヤイヤはひどくなる」
「こんなきっかけでイヤイヤが収まる」などのシチュエーションを演じると「あるある」「そうすればいいのね」という声が聞かれます。
<大きな紙に書く>
保護者会というとプリントを配ってそれを読み合わせするというイメージがあると思います。人間は下を向いているとぼんやりしてきて、話が頭に入りません。プリントは家に持ち帰ってもらってもう一度読んでもらいたいという意味で必要ですが、話をするときには大きな紙やプロジェクターを使うなど要点やキーワードを前で説明すると保護者にとってもわかりやすいです。
保護者のための保護者会
保護者会を通して、保護者に何かを得てもらおうと考えたときどんなことが思い浮かぶでしょうか。
<保護者同士仲良くなってもらう>
クラスの年齢が低いほど、初めましてのの保護者が多くなります。特にお迎えの時間がばらばらになる保育園の保護者は、顔を合わせる機会すらない場合もあります。
そこで顔を合わせる貴重な機会と考えれば、自己紹介から工夫ができるのではないでしょうか。「お子さんの名前の由来」「好きな音楽」「得意だったスポーツ」「子どもの頃からだいすきなもの」など現在の家庭事情は関係なく話せることを聞いていきましょう。
このことをきっかけに、顔を合わせたときに声が掛けやすくなったり、変な先入観を持つことがなく接することができるようになるといいですよね。
<いいこと聞いたなと思ってもらおう>
保護者会では「成長」「発達」「決まり」「お願い」など固い話になりがちです。そんな中でも、良いこと聞いたなと思ってもらえるといい気持ちで会を終えることができるでしょう。
手遊びやよく歌う歌を保護者と楽しんでみてはいかがでしょうか。「これから子どもと一緒に歌ってみます」など嬉しい声が聞けるかもしれません。
また、絵本などの紹介も実際に子どもに聞かせるように読み聞かせをすると保護者も喜んでくれます。
普段のお迎えではできないことをこの機会にやってみるとよいでしょう。
さて、保護者会は誰のためですか?
最初の疑問に戻りましょう。保護者会を開くのは誰のためでしょうか。
この答えは突き詰めていくと「子ども達のため」です。そのための「やり方」「方法」「伝えること」などを考えるときに、前年度のプログラムをなぞるのではなく、自分達なりの伝え方を考えてみて欲しいです。
「今回は誰のための保護者会であるか」という基本から考えると、考えやすくなるでしょう。