デジタル化はわずか40%?小中学校のICT化|保育システムNavi

デジタル化はわずか40%?小中学校のICT化

2025.4.24 保育ICT化とは 保育システムについて
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学校と保護者の間で長らく紙や電話によるやりとりが主流となってきましたが、それが現在どの程度変化しているのかについて、LINEヤフー(本社:東京都千代田区)が全国の小中学校に通う児童・生徒の保護者および教職員、あわせて約4,000人を対象に調査を行いました。
その結果、連絡手段として「メール」や「アプリ」などのデジタルツールの利用率は、いずれも平均で40%台にとどまっていることが判明しました。
依然として紙媒体などのアナログな方法が多く使用されており、学校現場でのデジタル化はあまり進んでいない状況です。
近年、保育園や学童保育ではICT化が進んできていますが、小中学校は僧ではないようです。どんな原因が考えられるのでしょうか。
(※2025年2月17日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

保護者と教員の間で意識にギャップ?デジタル連絡を望むも普及進まない現状

文部科学省は2020年10月、小中学校や高校と保護者の双方の負担軽減を目的として、連絡手段のデジタル化を推進するよう各教育機関に通知を出しました。
その取り組みの実態を把握するため、昨年10月、LINEヤフーが名古屋大学の内田良教授(教育社会学)の監修のもと、インターネット調査を実施しました。
調査には、国公立の小中学校に通う子どもを持つ保護者3,008人と、同じく国公立の小中学校に勤務する教員889人が回答しています。

デジタル活用はごく一部、連絡手段の現状と課題とは

実際にどのような方法で学校と保護者が連絡を取り合っているのかを探るため、10種類の連絡内容について複数回答で調査したところ、デジタル手段(メールやアプリなど)を利用していると答えた割合は、保護者で46.1%、教員で41.2%という結果となりました。
保護者の回答では、「遅刻・欠席・早退の連絡」が62.7%と最も高く、次いで「緊急連絡や安否確認」が59.3%、「部活動に関する連絡」が57.5%となっています。
一方で、「面談の日程調整」にデジタルを使っていると答えたのは29.6%と最も低く、教員側もほぼ同様の傾向を示していました。

保護者・教員ともにデジタル連絡を求める声は多数ある

保護者や教員は、学校との連絡手段にどの程度デジタル化を求めているのでしょうか。
保護者のうち「すべてをデジタルにしたい(ただし緊急時は電話対応可)」と答えた人は32.1%でした。
また、「一部はデジタルが望ましい(たとえば、学級通信は紙、緊急連絡はLINE、出欠確認はウェブフォーム、希望調査は専用アプリなど)」と回答した人が61.4%に上りました。
一方で、「完全にアナログのままがよい(電話・紙・対面のみ)」とした人は6.4%にとどまりました。
教員の回答もほぼ同様の傾向で、保護者・教員ともに、全面的または部分的なデジタル化を希望する人が90%以上を占めていることがわかりました。

アナログとデジタル、それぞれの連絡手段に課題もある

アナログな手段(紙や電話)での連絡に関して困っている点について、保護者に複数回答でたずねたところ、「子どもがプリントを渡し忘れることがある」と回答した人が49.3%、「電話では日中に応対できないことが多い」が46.8%と、いずれも約半数を占めました。
一方、教員からは「保護者との電話連絡が勤務時間外に及ぶ」が77.0%、「電話対応に時間がかかる」が69.3%と、多くの教員が時間的負担を感じていることがわかりました。
また、デジタル手段に関する課題についても尋ねたところ、保護者では「新しいアプリやツールの導入が面倒」と答えた人が33.9%、「通知に気づかない」が29.0%、「使い方がわからない」が21.3%でした。
教員の意見としては、「紙のプリントとの併用になってしまう」が61.9%、「アプリやシステムが複数あり管理が煩雑」が56.1%という結果でした。

まずは支援体制を。連絡のデジタル化へ向けた課題

名古屋大学の内田良教授は、今回の調査について「保護者は前向きだが、教員は紙の方を好むのではないか」と予想していたそうですが、実際には保護者・教員のどちらもデジタル化を望んでいることが明らかになりました。
ただし、義務教育の現場においては、すべての保護者がデジタルツールを使えるとは限らず、その点を無視することは難しいと述べています。
そのため、ICT支援員などのサポート体制を整えながら、段階的にデジタル化を進めることが望ましいとしています。
また、連絡手段が複数に分かれてしまっている背景には、無料で機能が限定されたアプリを使い分けている現状があると指摘し、業務の効率化を図るためには、学校現場に対して十分な予算を確保し、適切なシステムの導入が必要であると述べています。

 

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